「いい香りだな」
アロマに興味を持ったきっかけって、案外そんなところから始まるんじゃないかなと思います。
私自身も、最初はそうでした。
いろいろな香りを知っていくうちに、
「こっちは好き」
「これはちょっと苦手」
「こんな香りもあるんだ」
と、どんどん興味が広がっていきました。
そして、もう少し知りたくなってアロマを学び始めました。
最初は、香りの名前や植物のことを知るくらいのつもりだったんです。
ところが。
勉強していくと、思っていた以上にいろいろなところにつながっていくんですよね。
……アロマを勉強して、まさか美術館に通うようになるとは(笑)。
でも、最近あらためて思ったんです。
アロマを学ぶって、香りを知るだけじゃないんだな。
知れば知るほど、世界が少しずつつながっていく。
今日は、そんな「アロマを学ぶ面白さ」について、少し書いてみようと思います。
最初は「香りが好き」だけだった
アロマテラピーに興味を持つきっかけは、人それぞれだと思います。
眠る前に好きな香りを使いたい。
気分転換に香りを楽しみたい。
植物が好き。
自然なものに興味がある。
私の場合は、もっと単純でした。
「いい香り!」
そして、
「ほかにはどんな香りがあるんだろう?」
と思った。
そこから少しずつ精油の種類を知り、植物の名前を知り、香りの特徴を知っていく。
すると、今度は、
「この香りって、植物のどの部分から採れるんだろう?」
「どうやって精油になるんだろう?」
「この香りをつくっている成分って何なんだろう?」
と、次から次へと気になることが出てきます。
ひとつ知ると、またひとつ知りたくなる。
私は、どうやらこの「知りたくなる」感じが好きだったようです。
香りを知ると、植物のことが気になってくる
アロマを学んでいると、精油のことだけではなく、当然そのもとになっている植物についても知ることになります。
どんな植物なのか。
どこに生えているのか。
どんな環境で育つのか。
どの部分を使うのか。
どんな方法で香りを取り出してきたのか。
そうやって植物のことを知っていくと、だんだんと「人間と植物って、ずっと一緒に暮らしてきたんだな」と感じるようになりました。
「食べもの」もそう。
「薬になる植物」もそう。
「香料」もそう。
「衣服」や「生活用品」に使われるものもそう。
私たちは昔から、植物からたくさんのものを受け取ってきたんですよね。
アロマを学ぶ前は、そこまで考えたことがありませんでした。
でも知っていくと、
「人間が植物を利用している」
という見方だけではなく、
「私たちは植物から、ものすごくたくさんのものを与えてもらって生きているんだな」
と思うようになりました。
人間が自然界のいちばん上にいて、植物を使っている。
そんなふうに考えるのは、ちょっと違うのかもしれません。
植物があるから、私たちの暮らしがある。
そう考えると、植物を見る目も少し変わってきます。
アロマを学ぶと、歴史や文化まで面白くなる
そして、私の場合、ここからさらに話が広がっていきます。
アロマテラピーの歴史を学んでいると、香料や植物と人の暮らしの歴史にも触れることになります。
すると、
「この時代の人たちは、どんな香りを使っていたんだろう?」
「どんな暮らしをしていたんだろう?」
「香りって、どんな場面で使われていたんだろう?」
と、だんだん歴史そのものが気になってきました。
アロマを勉強していなかったら、もしかしたら私は、こんなふうにルネサンスに興味を持つこともなかったかもしれません。
そして先日、実際に行ってきました。
「ルーヴル美術館展 ルネサンス」へ行ってきました

2026年9月9日から12月13日まで、国立新美術館で開催されている
です。
15~16世紀のルネサンス美術を中心に、50点あまりの作品が集められています。
絵画だけではなく、彫刻、版画、素描、工芸まで。
パンフレットには、「ルネサンス美術の神髄に触れる貴重な機会」と紹介されていました。
その中でも今回、ダ・ヴィンチの「女性の肖像」、通称「美しきフェロニエール」が初来日しています。

私は、実はダ・ヴィンチの絵を実際に見るのも初めてでした。
もちろん「モナ・リザ」は知っています。
でも、今回の展覧会は「ダ・ヴィンチ展」というわけではなく、ルネサンスという時代そのものが大きなテーマ。
だからこそ、私にはとても面白かったんです。
絵そのものだけではなく、
当時の人たちはどんな暮らしをしていたのか。
どんな習慣があったのか。
どんな環境で生きていたのか。
人と人との関係はどうだったのか。
芸術家と貴族はどんな関係だったのか。
そんなことまで想像しながら見ることができました。
香りから、ルネサンスを感じてみたい
そして、実は私が今回、この展覧会に行ってみたいと思った理由。
もちろん、ルネサンスの美術そのものにも興味はありました。
でも、それ以上に気になっていたのが……
香りです。
ダ・ヴィンチの「女性の肖像」に着想を得たフレグランスカードがあると知って、
「この香りを嗅いで、ルネサンスを重ねてみたい」
と思ったんです。
つまり、
香りからルネサンスを感じてみたい。
そんな気持ちで行きました。
香りを嗅いで、
「この時代って、どんな空気だったんだろう」
「この人たちは、どんな香りに囲まれていたんだろう」
と想像してみたかった。
...軽く変態かもしれません(笑)。
でも、実際に見てみると、これが面白かった。
人体は、自然がつくった最高の構造物だとして、建築や美術に用いたという話が、個人的に大好きです!
とはいえ、私は美術にものすごく詳しいわけではありません(笑)。
だから、「この筆づかいが……」とか「この技法が……」という見方は、正直できません。
でも、それでも面白い。
むしろ、絵の知識がそれほどないからこそ、
「この人はどんな人だったんだろう?」
「この絵を描いていた時代って、どんな時代だったんだろう?」
「この絵を依頼した人は、どんな暮らしをしていたんだろう?」
と、その周りにあるものが気になってくるんです。
ボッティチェリの作品も見ることができました。
個人的には、リアルな水盤とか、本ではみることができない作品の裏面とか横からとか、いろんな方向から観るのも楽しかったな。
当時の絵師と貴族との関係なども知ることができて、
「絵って、作品だけを見て終わりじゃないんだな」
と思いました。
その絵が生まれた背景を知ると、見え方がまた変わってくる。
それでも、作品そのものだけではなく、
「この人はどんな暮らしをしていたんだろう」
「この時代の人たちは、何を大切にしていたんだろう」
「画家と、この作品を依頼した人たちはどんな関係だったんだろう」
そんなことを想像しながら見ると、絵が少し身近に感じられます。
そして、そこに「香り」という入口が加わる。
すると、ただ絵を見るだけではなく、その時代の空気まで想像してみたくなるんです。
「美術館に行って絵を見る」というだけだったら、もしかしたら私はここまで興味を持たなかったかもしれません。
でも、香りから入ったことで、私の中では歴史や文化と作品がつながって見えました。
ちゃんと香りも連れて帰ってきました
もちろん、目的だったフレグランスカードも購入。
香りを嗅いだ瞬間、絵の中の世界が少し立体的になったような気がしました。

これ、実際にShinRynに置いてあります。
どんな香りなのか。
気になる方は、ぜひ嗅いでみてください。
「この香りから、どんな時代を想像する?」
なんて話をするのも、面白いかもしれません。
私はこれから、またこの香りを嗅ぎながら、ルネサンスのことを調べてみようと思っています。
香りをきっかけに、また知らない世界がひとつ増えそうです。
知ることで、見えるものが増えていく
アロマを学ぶ前だったら、私はこの展覧会を見ても、きっと違うところを見ていたと思います。
同じものを見ても、その人が持っている知識や経験によって、感じることは違う。
だからこそ、知るって面白い。
植物を知ったら、歴史が気になった。
歴史を知ったら、文化が気になった。
文化を知ったら、美術が気になった。
そして美術を見たら、また香りが気になった。
なんだか、ずっとつながっています。
「アロマを勉強している」というところから、ずいぶん遠くまで来たなぁと思います。
でも、その寄り道が楽しいんです。
アロマを学ぶ楽しさは、資格だけじゃない
アロマテラピーを学ぶというと、
「精油をたくさん覚えるんですよね?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、香りや植物についての知識は大切です。
でも、私が実際に学んできて感じるのは、それだけではないということ。
植物のことを知れば、自然や環境のことが気になる。
香りの歴史を知れば、昔の人々の暮らしや文化が気になる。
そこから美術や音楽、文学、映画などに興味が広がることもある。
どこに興味が向かうかは、人それぞれです。
私の場合は、それが歴史や美術でした。
そして今回、美術館に行ってみて思ったのは、
「知らなかったら、たぶんここには来ていなかったな」
ということ。
アロマを学んだことで、以前なら通り過ぎていたものに、
「これ、ちょっと気になる」
と思えるようになった。
それだけでも、ずいぶん日常が面白くなった気がします。
「もっと知りたい」から、その先へ
アロマを学ぶ理由は、資格を取ることだけじゃなくてもいいと思っています。
「香りが好きだから、もう少し知りたい」
それだけでも十分。
そこから植物を知って、身体のことを知って、歴史を知って。
気がついたら、自分が思ってもいなかったところに興味が向いているかもしれません。
私自身、最初はただ「いい香りだな」から始まりました。
それが今では、ルネサンスの絵を見ながら、
「この時代には、どんな香りがあったんだろう」
なんて考えている。
次は何が気になるんだろう。
そんなことを考えながら学んでいくのも、なかなか楽しいものです。
ShinRynでは、AEAJアロマテラピーインストラクター対応講座をはじめ、アロマをもう少し深く学びたい方のための講座を行っています。
資格を取りたい方はもちろん、
「アロマのこと、もう少し知りたいな」
というところからでも大丈夫です。
最初の「好き」が、どこにつながっていくのか。
それは、学び始めてみないとわからないのかもしれません。
